はじめに
この記事では、日本化薬株式会社および傘下企業のテイコクテーピングシステム株式会社における半導体関連事業について紹介しています。
日本化薬における半導体関連事業
日本化薬の主力な半導体関連製品は、世界シェア1位を誇る環境対応型エポキシ樹脂です。特に半導体の封止材や基板といった半導体パッケージ周辺の材料向けを中心に、ハロゲンやリン系難燃剤を使用しないエポキシ樹脂に強みを持っています。
先述のエポキシ樹脂製品を含む機能性材料事業ではほかにも、MEMS用レジスト・クリーナー(現像液・レジスト剥離液)を製造しています。
また、独自のエポキシ樹脂をベースとした感光性レジスト材料も開発しており、MEMS半導体パッケージ用の永久膜・ドライエッチングプロセスで使用されています。特に、液状のレジストをフィルムでサンドした、感光性ドライフイルムレジスト(DFR)は、中空構造を容易に形成することができ、SAW/BAW RFフィルターを始めとする、3次元に立体的なパターンが必要な用途において、広く使われています。
独ヘンケル社からのLCD・半導体クリーナー事業譲渡(2020年)
日本化薬は、2020年3月付でドイツの Henkel AG & Co. KGaA より、LCD・半導体クリーナー事業を譲り受けています。本件により、日本化薬は、日本化薬グループ及びHenkelのチャネルを活用した製品の販売拡大や新製品開発の推進等のシナジーを通じて、事業拡大を推進しました。
日本化薬株式会社(4272)、Henkel AG & Co. KGaAよりLCD・半導体クリーナー事業を譲り受け|M&Aニュース|日本M&Aセンター (nihon-ma.co.jp)
テイコクテーピングシステム株式会社
2021年には、テイコクテーピングシステム株式会社を100パーセント子会社化し、半導体製造装置事業にも参入しています。テイコクテーピングシステムは、粘着テープ、ドライフィルムの貼り付け技術、剥離技術に強みを持つ企業であり、先程の、ドライフィルムレジストとのシナジーを発揮しています。RFフィルター向けでは、モバイル通信端末の高性能化に伴って、生産需要や性能向上が求められています。このような状況の中、SAWフィルターやBAWフィルターの中空構造パッケージング用途において、テイコクテーピングシステム社製ラミネーターは、世界的なRFメーカー各社に採用されています
【参考】
機能性材料事業 | ファインケミカルズ事業領域 | 事業・製品 | 世界的すきま発想。日本化薬株式会社 (nipponkayaku.co.jp)
テイコクテーピングシステム株式会社 | 半導体製造装置の設計、開発、製造、販売及びメンテナンスサービスなら(愛知県東海市) (teikoku-taping.com)
日本化薬、半導体製造装置に進出、テイコクテーピングシステムを買収 – 化学工業日報 (chemicaldaily.co.jp)
ファンアウトやRFフィルターで業界標準握る、愛知発の半導体装置メーカー 従業員数わずか18人も、海外大手半導体メーカーからの信頼厚く | LIMO | くらしとお金の経済メディア
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